膝を安定させるためのハムストリングス

大腿部の後面に位置するハムストリングスは

スプリント・ジャンプなど身体を推進させる役割を果たし、多くのスポーツのパフォーマンスにつながる重要な筋肉です。


ハムストリングスは股関節と膝関節の二つの関節をまたぎ大きな力を発揮する一方、機能不全などがある場合には、これらの関節に何らかの影響を与える可能性があります。

特に膝関節はスポーツにおいて傷害発生率が高く、膝関節の安定にはハムストリングスの機能が大きく関わっています。

実際、スポーツで膝を痛めてしまう選手の中にはハムストリングスがうまく使えていない選手は少なくありません。

そこで今回はスポーツにおける

膝関節の傷害予防に必要なハムストリングスの機能とトレーニングについてご紹介していきたいと思います!


目次

  • ハムストリングスの機能解剖
  • ハムストリングスと下腿の回旋
  • 内側ハムストリングスの機能不全
  • 内側ハムストリングスTR
  • まとめ


ハムストリングスの機能解剖


大腿後面に位置するハムストリングスは骨盤の坐骨結節から始まり、外側ハムストリングス(大腿二頭筋)と内側ハムストリングス(半腱様筋・半膜様筋)に分かれて、膝関節に付着します。



ハムストリングスのメインの作用として大きな力を発揮するための股関節伸展と膝関節屈曲があります。

股関節伸展では

身体重心を前方に移動させ、スプリントやジャンプなど大きな力を発揮するためには欠かせない役割を持ちます。


また、膝関節屈曲では

スプリント・ランニングなどの走動作において、下腿の前方への振り出しにブレーキをかけることによって素早く脚を戻し、効率的な接地に関わってきます。



これらの機能はスポーツにおいて非常に重要になるため、筋力トレーニングなどにおいて鍛える頻度は多いかと思います。


一方で押さえておきたいポイントとなるのが

ハムストリングスによる下腿回旋作用です


ハムストリングスは坐骨結節から起始し、それぞれ下腿の内側と外側に停止し内側ハムストリングスは下腿を内旋させ、外側ハムストリングスは外旋させる作用を持ちます。




この下腿回旋作用が膝関節の安定には大きく関わってきます。


しかし

この下腿の回旋は膝関節でも見落とされやすく、結果的に膝の痛みや不調につながっているケースも少なくありません。

では、ハムストリングスによる下腿の回旋は膝関節にどのように関わっているのでしょうか


ハムストリングスと下腿の回旋


ハムストリングスによる下腿の回旋は膝関節の屈曲・伸展時の安定に関わってきます。


特に膝関節屈曲において

下腿が大腿骨に対して内旋することによって膝関節(大腿骨と脛骨)は構造的な安定性が高まります。



しかし

外側ハムストリングスなどの柔軟性低下などによって生じる

下腿外旋アライメントでは膝関節の安定性が低下し、膝関節に対する負荷が増加し、傷害につながる可能性があります。



下腿外旋アライメントを助長する外側ハムストリングスへのアプローチについは、以前のブログでも解説しているのでこちらを参考にしていただければと思います。

下腿外旋アライメント改善するためには外側ハムストリングスの柔軟性を改善することは一つのポイントとなります。

しかし

外側ハムストリングスの柔軟性を改善したとしても、根本的な原因を解決しないかぎり下腿は外旋しやすい状態となったままです。


そこで根本的なアプローチに必要になるのが

膝関節屈曲での内側ハムストリングスによる下腿の内旋

となります。


では、内側ハムストリングスにはどのようなことが求められるでしょうか?


下腿と内側ハムストリングスの関わり


下腿外旋アライメントを改善して膝関節の安定には

内側ハムストリングスによる下腿内旋が重要なポイントとなります




半腱様筋・半膜様筋は脛骨内側に付着し、屈曲での下腿内旋作用をもち屈曲での脛骨大腿関節の安定性を高めることができます。


この下腿の内旋では内側ハムストリングスでも

半膜様筋の機能がポイントとなります。



半膜様筋は脛骨後面の後方関節包を通じて内側半月板などにも付着しています。


膝関節屈曲では

内側半月板が後方に移動することにより大腿骨との接触面積が増え、安定性が高まることが期待できます。


そのため

半膜様筋は膝関節屈曲において内側半月板を後方に移動させ、膝関節の安定性を高める役割を果たします.


つまり

膝関節の安定性を高めるためには

半膜様筋を含めた内側ハムストリングの機能を高めることがポイントになってきます。


内側ハムストリングスTR


では最後に内側ハムストリングスの機能を高めるためのトレーニングについてご紹介していきたいと思います。

下腿内旋エクササイズ
下腿を内旋させ膝関節を屈曲させることによって内側ハムストリングスの収縮を促していきます。


ヒップリフト
下腿内旋をキープしながら股関節を伸展させ骨盤を持ち上げます。
また、股関節を内旋させ内側ハムストリングスに収縮が入りやすくします。


シングルレッグデッドリフト
下腿が動かないように膝関節を固定しながら股関節を屈曲を行い、内側ハムストリングスに対する遠心性収縮のトレーニングを行います。

骨盤が外側に移動すると外側ハムストリングスに収縮が入りやすくなるので注意しましょう。


まとめ


以上、膝関節を安定させるためのハムストリングスの役割についてお話させていただきました。

膝関節の不安定性を改善するためにはハムストリングスの回旋に与える影響にも着目してみましょう!

スポーツ現場での活動のヒントにしていただければ幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました!


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