アキレス腱は地面からの力を下腿を介して全身の伝えたり、姿勢を安定させるなどスポーツにおいて欠かすことができない部位の一つです。
一方で
アキレス腱断裂のように損傷から復帰まで長期間かかるものや、アキレス腱障害などの慢性的な障害まで、スポーツにおいてトラブルが起きやすい特性もあります。

アキレス腱の不調への対応策として
痛みが引くまで安静にしていたり、アキレス腱のストレッチをしているにも関わらず思うように改善しないケースも少なくありません。
なぜこのようなアプローチでは思うように症状が改善しないのでしょうか?
そこで今回は
アキレス腱に問題が起きてしまう原因を構造の特徴などから考えていきたいと思います!
この記事の内容
この記事では若手アスレティックトレーナーに向けたアキレス腱の基礎的な知識(機能解剖・構造的な特性など)について解説しています。
アキレス腱に対する知識やアプローチを知りたいアスレティックトレーナーの方にはオススメの内容となっています。
ぜひ最後までご覧いただきスポーツ現場などでの活動の参考していただければ幸いです!
目次
- アキレス腱の機能解剖
- 腱の構造的な特性
- アキレス腱の痛みの原因は?
- まとめ
アキレス腱の機能解剖
まずはアキレス腱の基礎的な解剖について解説していきたいと思います。
アキレス腱は下腿三頭筋である表層にある腓腹筋と深層に位置するヒラメ筋の二つの筋から構成されます。
この二つの筋が最終的に踵骨の付着部から5~6cmほど近位から合流して腱となり踵骨隆起に停止します。

このようにアキレス腱は下腿三頭筋と踵骨に付着することで足部や膝から上にかかる力を効率良く伝えることが可能になります。
次に腱の構造についてお話していきたいと思います。
腱の構造的な特性
アキレス腱にアプローチするうえで腱の特徴を知ることはとても重要になります。
まずはアキレス腱も含めた腱の構造の特性についてお話していきたいと思います。
腱は筋から骨に付着するまで
筋と腱の接合部・腱の実質部・腱の付着部と大きく3つに分けることができます。

腱の構造の違いによる特徴
①筋と腱の接合部|伸長ストレスに強度が弱い
②腱の実質部|伸長ストレスに強度が強い
③腱の付着部|圧迫ストレスに弱い
このように、腱は組織の構造によってかかる負荷の種類や強度が異なります。
そのため
アキレス腱の痛みの原因を探るうえでは構造の特徴を知ることは非常に大切なポイントになると考えることができます。
アキレス腱が痛む原因は?
このようにアキレス腱の傷害が起きる原因として、アキレス腱にかかる負荷が過剰になってしまうことがあります。
そのなかでもアキレス腱の障害を引き起こすことが多い、伸長ストレスと圧迫ストレスについてお話していきたいと思います。

①伸長ストレス
まずアキレス腱にかかる負荷として、腱が引き伸ばされる伸長ストレスがあります。
これは
筋や腱によって構成される筋腱複合体では伸張されることによって力を効率的に発揮する腱の特徴でもあり、
このメカニズムは伸張-短縮サイクル(ストレッチショートニングサイクル|SSC)とも呼ばれ、スポーツにおいては欠かせない機能の一つとなります。
しかし
筋腱複合体が伸長されることによって腱には大きな伸長ストレスがかかることになります。

伸長ストレスが繰り返されることによって
腱には修復しようとする反応が起こりますが、修復には一定の時間が必要とされています(約18~36時間)
この間、アキレス腱に過剰な伸長ストレスがかかり過ぎると、修復が追いつかない状態となり、腱は変性などを起こし障害につながる可能性が高まります。
伸長ストレスに対する強度を高めるためには
下腿三頭筋やアキレス腱に対する遠心性収縮トレーニングが効果的とされています。
そのため
カーフレイズなどのトレーニングにおいて踵を下げる動作をゆっくり(4秒程度)行うことがポイントになります。
②圧迫ストレス
アキレス腱にかかる二つ目の負荷として圧迫ストレスが挙げられます。
アキレス腱をはじめとした腱組織は主成分がコラーゲンによって構成されます。
このコラーゲンは伸長ストレスの対応には適していますが、圧迫ストレスには弱いという特徴があります。

足関節背屈時にはアキレス腱と踵骨隆起が衝突することで圧迫ストレスが増加し、付着部の痛みを招く可能性があります。
この圧迫ストレスを軽減するために骨と腱の間には、滑液包や脂肪組織(fat pad)などが緩衝材のような役割を果たしています。
特にアキレス腱では
kager`s fat pad(KFP)と呼ばれる脂肪組織がアキレス腱付着部にかかる圧迫ストレスを軽減する役割があります。
そのため
アキレス腱付着部にかかる圧迫ストレスを軽減するKFPのセルフケアを取り入れることは大切なポイントになります。
まとめ
以上、アスレティックトレーナーが知っておきたいアキレス腱の特性についてお話させていただきました。
アキレス腱の強度を高めるトレーニングなどについてはまた後日、ブログでお話させていただきたいと思います!
スポーツ現場での活動に参考にしていただければ幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
アキレス腱障害に対するアプローチ

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