足関節の応急処置|重篤な外傷を見逃さない評価のポイント

スポーツ現場で活動するアスレティックトレーナーが対応することが多い足関節。

足関節は受傷後の状態が予後に大きく関わるため

応急処置を適切に行えることはアスレティックトレーナーとしても非常に重要なスキルとも言えます。


しかし

受傷して痛みに苦しむ選手を目の前にすると、適切な応急処置ができなくなることも少なくありません。

そんな事態を防ぐためにも、外傷発生時には適切な評価をすることが大切なポイントになります。

そこで今回は足関節の外傷において、応急処置における評価のポイントについてお話していきたいと思います!


この記事の内容

この記事では足関節捻挫における応急処置での評価のポイントについて解説しています。

足関節捻挫に対する応急処置の対応に自信を持ちたい若手アスレティックトレーナーの方にはオススメの内容となっています。

ぜひ最後までご覧いただきスポーツ現場などでの活動の参考していただければ幸いです!


目次

  • 緊急性の判断
  • 荷重・歩行の可否
  • 骨折に対する評価
  • 足関節の評価
  • 足関節捻挫の応急処置
  • まとめ


緊急性の判断


まず足関節に外傷が起きた場合、緊急性が高い外傷であるかを評価する必要があります。

緊急性が高い可能性がある足関節の特徴
外観上の大きな変形骨折や脱臼の疑い
・足関節周囲の感覚がない|神経や血管損傷の疑い


足関節の急性外傷では生命に関わるような重篤な外傷は多くありません。


しかし

外観上の大きな変化を伴う場合、足関節周囲の骨折・脱臼による神経・血管の損傷などを起こしている可能性もあります。

近隣に医療機関がなかったり、選手がすぐに受診できない場合には、緊急性が高いと判断し救急車を要請するなどの対応が必要になります。

荷重・歩行の可否


外観上の大きな変化が無ければ荷重や歩行が可能か評価していきます。

受傷直後に荷重できずに歩行が困難な場合には骨折や重症度が高い外傷が発生している可能性があります。

通常の歩行では足関節において

背屈で約10°・底屈では約15°が必要とされます。


つまり歩行が困難な場合には足関節の底・背屈を安定させる靭帯などが損傷を受けている可能性があります。


特に前距腓靭帯では底屈によって伸張ストレスがかかるため、足関節の外側に疼痛があり、歩行が困難な場合には前距腓靭帯の損傷度が高い可能性があります。


また疼痛により荷重ができない場合にも

骨には軸圧や離開するストレスがかかるため、骨折が起きているかもしれません。

そのため

歩行や荷重が困難な場合には重症度が高い外傷が起きている可能性があるので注意が必要になります。


骨折に対する評価


もし荷重や歩行が可能な場合にも骨折をしている可能性があるため、入念に足関節を評価していきます。

ここでは

オタワアンクルルール(Ottawa Ankle Rules)
②スクイーズテスト
➂パーカッションテスト

この3つ用いて骨折に対する評価を行っていきます。

オタワアンクルルール(Ottawa Ankle Rules)

オタワアンクルルールは足関節周囲の骨に発生する痛みをもとに骨折を鑑別する評価として用いられています。

以下を満たす場合に足関節の単純Ⅹ線検査が必要になる
果部領域に圧痛がある
中足部領域に圧痛がある

以下のいずれか1つに該当する
➊~➍に圧痛がある
受傷直後もしくは救急診療部において4歩の歩行が困難

軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーションを参考に作成

つまり

骨に一致する圧痛や4歩の歩行が困難な場合には必ず医療機関でのⅩ線による診断が必要になります。


②スクイーズテスト

スクイーズテストは脛骨と腓骨を圧迫し、脛腓関節を離開させることによって、骨や脛腓関節の疼痛を誘発し骨折や脛腓関節の靭帯損傷の評価をしていきます。



➂パーカッションテスト

パーカッションテストは骨に対し衝撃を加えることによって、骨折部に疼痛が起きるか確認するテストです。

足関節を中間位にして、踵骨にむかって手根部で弱い衝撃を与えていきます。

このテストで脛骨や腓骨の遠位部に疼痛が生じた場合、骨折の可能性を疑います。


この3つの評価によって骨に一致する疼痛がある場合には、骨折をしている可能性が高くなります。

これらの評価はあくまでもスポーツ現場での応急的な評価になります。

決して骨折があると断定せず医療機関での検査・診断が必要であることは選手・スタッフ・保護者にも伝えることが必要になります。


足関節の評価


骨折の有無の評価をしたら、足関節に対する評価を行っていきます。


足関節に対する評価

  • 骨・靭帯・筋などの触察|前距腓靭帯など
  • 関節可動域の測定|底屈・背屈など
  • 徒手筋力テスト|外返し・内返し・片脚立ちなど
  • スペシャルテスト|前方引き出しテスト、内反ストレステストなど


しかし、受傷直後には選手は痛みが非常に強い状態です。

そのため

痛みを伴う評価は必要最低限にすることがポイントになります


疼痛を確かめようとするあまりストレステストを過度に繰り返してしまうと、かえって損傷部の悪化を招く可能性があります。

選手への負担を軽減するためにも愛護的な評価を行うことが理想的です。


足関節の応急処置


受傷直後には基本的に患部の安静を図るためにRICE処置を実施します。

足関節におきやすい足関節捻挫については過去の記事を参考にしていただければと思います。

応急処置後には必ず選手・スタッフ・保護者などに評価の内容を伝え、医療機関を早急に受診することを促しましょう!

応急処置の詳しい方法については後日またブログにて紹介していきたいと思います!

まとめ


以上、足関節の応急処置における評価のポイントについてお話させていただきました。

スポーツ外傷では、アスレティックトレーナーの応急処置が予後に大きく関わります。

重篤な外傷を見逃さないためにも適切な評価は非常に重要になります。

スポーツ現場での活動に活かしていただけたら幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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